【18】カレーライスのパラドックス
第一章:食堂での違和感
渡辺多々梨は、館山市にある公共施設「南総文化センター」の一角にある職員食堂で昼食をとっていた。注文したのは日替わりの「特製カレーライス」。茶色く煮込まれたルーは程よくスパイスが効いていて、炊き立ての白米の上にたっぷりとかかっていた。
「……うん、普通にうまい」
口癖の「大丈夫っしょ」をつぶやきながらスプーンを進めていたが、ふとした瞬間に違和感を覚えた。
「……あれ?」
食べても食べても、皿の中のカレーが減らないのだ。
第二章:減らないカレー
「目の錯覚かな?」
スプーンでルーと米をすくって口に運ぶ。ちゃんと食べた感触はある。味も匂いも確かに「カレーライス」。だが、皿の上は変わらず、最初と同じように盛られている。
彼女は思わず厨房に声をかけた。
「すみません、これ…おかわり制ですか?」
厨房のおばちゃんは笑いながら答えた。
「おかわり? あぁ…うちのカレーは“特製”だからね。たっぷりあるのよ」
それにしても、だ。
5分、10分、15分…食べても食べても、皿は減らない。むしろ、少し増えてるようにすら見える。
第三章:ループする味覚
やがて、味にも異変が現れ始めた。

最初はスパイシーで美味しかったカレーが、だんだんと塩辛くなり、次第に苦みを感じ始めた。まるでスプーンを進めるたびに、何かが彼女の味覚に介入してくるようだった。
そして――唐突にフラッシュバックのような映像が頭に流れ込む。
見知らぬ厨房、焦げ付いた鍋、何かを混ぜる誰かの手…その手首には、自分と同じ黒い腕時計。
「……誰?」
次の瞬間、彼女の手にあるスプーンが一瞬透明になったように見えた。
第四章:食べ終えたはずの自分
食堂の時計は13時を指しているはずなのに、気づけば針は12時5分を示していた。さっきと同じ時間。
周囲の客も、見覚えのある顔ぶれ。さっき見たはずの職員が、また同じ動作を繰り返している。
「……え?」
自分も含めて、食堂全体が“繰り返している”。まるで、時間が戻っているかのように。
彼女は慌てて立ち上がり、カウンターの奥へ向かった。厨房のドアを開けると、そこには小さな貼り紙が。
「このカレーを完食した者、時を食うことなり」
第五章:記録される“カレー”
多々梨は厨房の奥で、一冊の古びたノートを見つけた。そこには、日付と名前、そして「完食」と書かれたチェック欄。
最後の名前は「渡辺 多々梨」。
だが、書かれた日付は「2025年4月25日」。
「今日って…30日じゃ…」
背筋が凍った。彼女はすでに、この“カレー”を5日前に食べ終えていたのだ。
「じゃあ……今の私は?」
振り返ると、自分とまったく同じ姿の女性が食堂の席に座り、カレーを食べ始めていた。
「もぅダメじゃんッ!」
最終章:もう一人の多々梨
何度も繰り返す昼下がり、増え続ける“渡辺多々梨”。
食堂には今日も、スプーンを持ち、減らないカレーを食べ続ける彼女が静かに座っている。その一人一人が、同じ口癖をつぶやく。
「……大丈夫っしょ」
しかし、誰も“完食”することはできない。
そう、それがカレーライスのパラドックス。
― 完 ―
生成メモ
怖あい話GPT2025を使用して生成、プロンプトは『カレーライスのパラドックス』
今回はAIが生成した訳のわからないセリフや展開がおかしさ半分不気味さ半分な感じでいいバランスだったかも、文章読み終わった後に生成された写真を確認したらフォーク使って食べてて笑ってしまったけど。