【21】トンネルの奥に響く声
第一章:廃道探訪
千葉県館山市。夏の終わり、蒸し暑さが残る午後、渡辺多々梨は古びた地図を頼りに、南房総の山中にあるとされる“旧南高坂トンネル”を目指していた。
オレンジのベストの前ジッパーを開け、黒いワンピースの裾をかき分けるように、藪の中を抜けていく。背中には、地元の民俗学者から「絶対に一人で行くな」と言われたばかりの、忘れ去られた山道。だが彼女は口をついて出た。
「大丈夫っしょ。ただのトンネルでしょ?」
地元では“あの道”とだけ呼ばれ、正式な名称すら記録に残っていないというその廃道。地元の老人いわく、1970年代に土砂崩れで封鎖されたが、何か「説明のつかないこと」が起きて工事が中止されたらしい。
第二章:封鎖された入口

トンネルの入り口は、苔むしたコンクリートとツタで覆われ、黒い口のようにぽっかりと開いていた。入口には赤錆びた「通行止」の看板が無造作に立てかけられ、誰も入るなという無言の圧力が漂っていた。
多々梨はヘッドライトを付け、暗がりに足を踏み入れた。
中は湿っており、壁には古い落書きが残っている。だが、一歩、また一歩と進むたびに、足音とは別の音が響くようになった。
「…うしろに…だれか…いるの?」
かすかな声のようなものが、トンネルの奥からこだまする。多々梨は立ち止まった。
「気のせいでしょ。大丈夫っしょ。」
しかし、振り返ると――

ライトが照らす壁に、“見覚えのない自分の顔”が、無数に映っていた。
第三章:戻れない選択
多々梨は後ずさりし、壁に映った顔の一つに、動きがあるのに気付いた。それは口を開いたまま、じっとこちらを見ていた。目は合っていないのに、視線を感じる。
背中がぞわりとした。出口の方向へ戻ろうとした時、腕時計の針が「逆回転」し始めた。
「もぅダメじゃんッ!」
一目散に走る。出口までの距離が、なぜか倍以上に感じる。振り向くと、トンネルの闇の中に「人影」のような何かが、音もなくついてきていた。
ただ、それは人ではない。“顔だけが浮いていた”。
その顔は、どこかで見たことがある。…小学生の頃に行方不明になった同級生だ。そう、多々梨は思い出した。
最終章:封印の向こう

なんとか出口へたどり着いた時、外はすでに夕暮れだった。腕時計は止まっており、ポーチの中のスマホは真っ黒に壊れていた。
それでも、多々梨は笑った。
「やっぱり、大丈夫っしょ…」
だが、数日後、彼女の撮った写真の中に――
トンネルの奥、存在しないはずの「扉」が写っていた。

それは、まるで誰かが「向こう側」から開けたかのように、わずかに開いていたのだ――。
― 完 ―
生成メモ
怖あい話GPT2025を使用して生成、プロンプトは『怖い話聞かせて』
ヘッドライトが懐中電灯だったり、『見覚えのない自分の顔』という矛盾してるのか何か深い意味があるのかわからない文章だったり、微妙な部分が多かった。
画像生成も文章と同様に何度も生成せずに一発で出てきたものを使っているけど、扉の空き具合の間違いとかいかにもAIっぽくていいな、怖さには繋がってないけど。