【7】七重の鏡
tomoaky🕯️序章：古道の集落
渡辺多々梨（わたなべたたり）は、古い民間伝承を調査するため、千葉県館山市の山奥にあるという**廃村・七重（ななえ）**を訪れることにした。数百年前に忽然と消えた集落で、存在自体が地図からも抹消されていた。
「ネットで見つけたんだよ。七重っていう村、鏡にまつわる祟りがあったって…おもしろそうっしょ？」
黒い長袖ワンピースの上にオレンジのベスト、十字架のネックレスを光らせながら、多々梨は林道を一人進んでいく。手元の腕時計が示す時刻は午後4時44分。
風が木々の隙間を吹き抜け、まるで何かが囁くようだった。
🪞第一章：七重の鏡
七重村は確かにそこにあった。だが、すべての家には鏡が残されていた。しかも、すべてが――七枚ずつ。
家々の中央に鎮座する小さな祠。その内部には「映してはならぬ、映されてはならぬ」と血のように赤く記された札。
「…七つの鏡…七重の鏡か……なんか嫌な予感するなぁ」
多々梨は一枚の鏡に映った“自分”が、少しだけ笑っていたのを見逃さなかった。
🧿第二章：割れる声
日が暮れるにつれ、村全体が静寂に包まれた。鏡の中の多々梨が、じり…じり…と現実の自分とは違う動きを始める。
彼女が一歩引くと、鏡の中の“それ”は前に出た。
「……こりゃ、ガチでヤバいやつかも」
と呟くも時すでに遅し。背後から音もなく何かが滑り込む。
振り返ると、七枚の鏡が宙に浮き、円を描いて自分を囲んでいた。
その中央に、自分と瓜二つだが“顔がまるで能面のように歪んだ存在”が立っていた。
🧷第三章：七重ループ
多々梨は逃げた。だが走っても走っても、たどり着くのは同じ鏡のある家。
「うそっしょ……！？ これ、出口ない……！？」
彼女が通るたびに、鏡の“向こうの自分”が徐々に入れ替わっていく。現実の多々梨の表情が失われていく一方で、鏡の中の“それ”はどんどん人間らしさを帯びてきた。
そして、7番目の鏡の前。
「……おかえり、たたり」
声が聞こえた。
鏡の中の“それ”が、現実に足を踏み出した。
🩸クライマックス：入れ替えの儀
多々梨は最後の抵抗として、自分の十字架のネックレスを鏡に投げつけた。
ガシャアァァン―――ッ！
鏡が砕けると同時に、あたりは暗闇に包まれた。そして目を開けると、そこは自分の部屋。
夢だったのか？ そう思いながら鏡を見ると――
鏡の中の多々梨が、片目だけゆっくりとウィンクした。
彼女はもう、あの七重の鏡の中にいる。二度と戻ることはできない。
― 完 ―
生成メモ
怖あい話GPT2025を使用して生成、プロンプトは『怖い話きかせて』
