【9】鎌倉ホットケーキ異聞
📜序章:古文書の味
渡辺多々梨は、千葉の古道具屋でとある古文書を手に入れた。巻物の中には、信じられない記述があった。
「鎌倉六年、鎮西の寺にて“甘く熱き餅の如き食”を焼きし。食えば心乱れ、魂浮き、やがて還らず。」
それはまるで、現代のホットケーキのようなものを連想させた。
「……ホットケーキが鎌倉時代に?マジかよ、それ確かめにいくしかないっしょ……」
好奇心のままに、多々梨は北鎌倉の山中にある廃寺へと向かう。
🔔第一章:時を焼く香り
廃寺は静かだった。だが、境内の一角に崩れかけた茶屋のような小屋があり、そこから微かに甘い香りが漂っていた。
朽ちた竈(かまど)には灰が残り、その中央に鉄の丸い板が鎮座していた。
「……あれ、鉄板じゃん……まさか、ここで?」
彼女が板に触れると、途端に周囲の空気がゆらぎ出す。
まるで時間そのものが焼け焦げるかのように――。
⏳第二章:焼かれし時空

多々梨は古文書に書かれていた材料を、半ば冗談で再現して焼いてみた。
卵、米粉、蜂蜜、山芋――すべて寺の裏の壺に保存されていた。
「いやこれ、マジでホットケーキじゃん…」
ジュウウウゥ……鉄板の上で黄金色に焼けるその生地。
香りを嗅いだ瞬間、頭がぐわんと揺れた。
気づけば、彼女の目の前には鎌倉武士たちの霊がずらりと並び、静かにこちらを見つめていた。
「焼けたか――其れは“時の餅”じゃ。喰う者、還らぬぞ」
🧂第三章:喰えば現れ、飽けば消ゆ
多々梨は手を震わせながら、ホットケーキを口にした。
とたんに視界が歪み、己がどこにいるのかわからなくなる。
目の前には、己の記憶――小学校の教室、初めての旅、別れた恋人の笑顔が現れては溶けていく。
「……なんで……わたし……ホットケーキなんか……」
食べ終えると、彼女は再び寺の竈の前に立っていた。だが、自分の影がそこになかった。
鉄板の上には、もう一枚、焼きたてのホットケーキ。
それをじっと見下ろすのは、鎌倉時代の装束を身にまとった自分そっくりの誰かだった。
🥞クライマックス:永久に焼かれる者
「次は、そなたが焼く番じゃ……」
その声に抗うように、十字架のネックレスを鉄板に叩きつけた――
ジィィィィ……パァンッッ!
辺りに霧が満ち、すべてが白くなる。だが、目を開けてもそこは変わらぬ寺の中。
焼かれる音だけが、いつまでも続いている。
そして、誰かが言う。
「次の客が来るまで、焼いておれ」

鉄板の上で、彼女は黙ってホットケーキを焼き続ける。
彼女の時間は、もう誰かの“おやつ”なのだ。
― 完 ―
生成メモ
怖あい話GPT2025を使用して生成、プロンプトは『鎌倉時代のホットケーキ』
オーパーツ的な物事に対して当時の人が文章を残している展開って面白いな。