沼地の誘い―同人誌即売会の秘密

ミキとアヤ、二人の仲良し女子高生は、同人誌即売会のために東京へ向かうことになった。活発なミキはアニメやマンガの世界に夢中で、一方、クールで冷静なアヤは主にミキの趣味に付き合う形だった。

即売会の後、二人は帰りに少し寄り道をしようと決めた。地図で見つけた観光地、美しい珊瑚が見られる遊覧船のツアーに参加することに。

途中、道を誤り、一面に広がる沼地に迷い込んだ。沼地は夕暮れ時には不気味な美しさを放っていた。湿地の中には奇妙な植物が生い茂り、時折聞こえる動物の鳴き声が耳に残る。

「アヤ、ここ、何か変じゃない?」ミキが不安そうに言った。

「大丈夫よ、きっとすぐに道に出るわ。」アヤは落ち着いて答えたが、その心の中では何かがズキズキと響いていた。

二人は沼地を抜けて遊覧船の乗り場へと辿り着いた。しかし、船頭の老人は何故か彼女たちを警戒しているようだった。

「あの沼地、通ったかい?」老人の声は震えていた。

「ええ、何か問題なの?」アヤが尋ねると、老人は頭を振って、ただ前へ進むように合図した。

遊覧船のツアーは美しい珊瑚礁を楽しむ平穏なものだったが、沼地のことが頭から離れなかった。

その夜、ミキの持っていた同人誌の中から、沼地にまつわる古い伝説を記した小冊子が見つかった。それによれば、沼地はかつて呪われた地で、夜になると現れる女の霊がいるという。

ミキとアヤは冷や汗をかいて小冊子を閉じた。二人の心の中で、沼地の不気味な美しさと船頭の老人の警戒の理由が鮮明に繋がり始めた。

帰りの電車の窓から、遠くの沼地が見えた。その時、二人の目に映ったのは、沼地の中央に立つ一人の女の霊。

彼女たちは二度とその地を訪れることはなかった。沼地の誘いは、珊瑚の美しさと同人誌即売会の興奮と共に、二人の記憶の奥底に封印された。

しかし、夜、眠りの深い隙間から、時折、沼地の女が彼女たちに囁いてくることがあった。か細いその声が何を語っているのか、彼女たちは決して知ることはなかった。

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仲良し女子高生2人、活発なミキとクールなアヤ。
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