自作PCの不可解な連鎖

自作PCに初挑戦することにした高校生の僕、健太。友達に影響されて、興味本位でパーツを揃え始めた。CPU、メモリ、マザーボード…最初はワクワクしていた。だが、組み立てを進めるうちに、奇妙な出来事が起こり始めた。

組み立て初日、マザーボードを設置した途端、部屋の電気がチカチカと点滅し始めた。ただの配線の問題だと思っていたが、不安な予感が頭をよぎった。それでも、気を取り直して作業を続けた。

翌日、グラフィックカードを取り付けたところ、部屋の温度が急激に上昇し始めた。窓を開けても、変わらない。それどころか、部屋の隅から不気味な低い声が聞こえてきたような気がした。震えが止まらなくなり、その日の作業は中断せざるを得なかった。

組み立ての最終日、PCに電源を入れる瞬間が来た。深呼吸をしてスイッチを押すと、PCは無事に起動した。だが、その瞬間、部屋の壁に映し出されたのは、僕の記憶にもない、異様な影絵のようなものだった。部屋の中が一瞬にして静まり返り、僕は息をのんだ。

それからPCを使うたび、さらに奇妙な現象が起こり始めた。画面には理解不能な文字が現れ、キーボードを打つと、予測できない動作をするようになった。さらに、使っていない時でも、PCから奇妙な音が聞こえるようになった。

最悪だったのは、ある夜のことだ。僕が眠っていると、PCから突然大音量で音楽が流れ始めた。慌てて起き上がると、画面には赤黒い文字で「助けて」と表示されていた。その瞬間、部屋の中が一気に寒くなり、息ができなくなるほどの圧迫感を感じた。

恐怖のあまり、僕はそのPCを窓から投げ捨てた。すると、部屋の異常な現象はピタリと止まった。だが、それ以来、僕の部屋の窓の外には、夜な夜な不気味な影がうろつくようになった。

自作PCに挑戦したことを後悔している。あのPCは一体何だったのか、そして、なぜ僕の部屋であんな現象が起きたのか、答えは見つかっていない。ただ一つ確かなことは、あのPCとの出会いが、僕の日常を一変させたということだ。

怖あい話

Posted by tomoaky