時を超えるゴリラとの奇妙な旅

夜の静寂が、街を包んでいた。月明かりだけが、狭い路地を照らし出している。私の足音が響く。いつもの帰り道、何も変わらないはずだった。だが、その日は違った。

角を曲がると、突然目の前に現れたのは、異様な大きさのゴリラだった。その姿は、まるで別世界から来たかのように異質で、目は不思議な光を放っていた。私は息をのんだ。しかし、ゴリラは私を威嚇することなく、ただ静かに立っているだけだった。

その時、私は気づいた。ゴリラの首には、奇妙な装置が装着されていた。それは、まるでタイムマシンのような複雑な機械だった。ゴリラはタイムトラベラーだったのだ。

私は、好奇心に駆られてゴリラに近づいた。すると、装置から突然、光が放たれ、私たちは別の時代へと吸い込まれていった。

目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。古代の森のようで、空気は澄んでいて、未知の鳥の鳴き声が聞こえてきた。ゴリラは私を見て、何かを伝えようとしているかのように目を見開いていた。

私たちは一緒に森を歩き始めた。ゴリラは時折、何かを探しているように辺りを見回していた。そして、突然立ち止まり、私に何かを示した。そこには、古代の壁画があった。壁画には、ゴリラと人間が共に生活している様子が描かれていた。

私は理解した。ゴリラは、自分の過去、または未来を探しに来たのだ。しかし、私たちがいた時代には、ゴリラと人間が共存することはなかった。

ゴリラは、私の手を取り、再びタイムマシンを作動させた。私たちは時空を超え、さまざまな時代を旅した。ゴリラが探しているものは、どの時代にも存在しなかったが、私たちは諦めなかった。

最終的に、私たちは現代に戻った。ゴリラは私に感謝の意を示し、森へと帰っていった。私は、一緒に過ごした不思議な時間を胸に秘め、日常へと戻っていった。

怖あい話

Posted by tomoaky