呪われた人魚のミイラ:取扱免許の代償

私、山田一郎は、東京の下町で古物商を営んでいる。年季の入った木造の店は、歴史的価値のある品々で溢れており、私はそれを心から誇りに思っていた。ある日、長年の友人である佐藤が訪ねてきた。彼は肩に大きな包みを抱えており、その表情にはどこか不安げな色が見え隠れしていた。

「一郎、これを見てくれ。」佐藤は包みを慎重に解き始めた。その中から現れたのは、人魚のミイラだった。小さな体に鱗が光り、干からびた顔には不気味な笑みが浮かんでいる。

「これが本物の人魚のミイラだと?佐藤、お前まさか…」私は目を見張った。

「そうだ、一郎。これが本物だ。そして、これを扱うための『取扱免許』も持っている。」佐藤はそう言って、一枚の古びた紙を差し出した。そこには確かに、彼の名前とともに「人魚ミイラ取扱免許」の文字が記されていた。

「これは非常に貴重なものだ。一郎、お前ならこの価値を理解してくれると思って持ってきたんだ。」佐藤の言葉に、私はミイラを手に入れることにした。

しかし、その夜から奇怪な現象が起こり始めた。ベッドに入った途端、耳元で囁くような声が聞こえてきた。「海の底…深い闇…戻れ…」何度も何度も繰り返されるその言葉に、私は眠ることができなかった。

さらに、店の中には異様な腐臭が漂い始めた。どこからともなく湧き出るその臭いは、まるで海の底から腐敗した死体の匂いが風に乗って運ばれてきたかのようだった。私は不安と恐怖に苛まれながらも、この現象がミイラに関係しているのではないかという考えを拭い去ることができなかった。

翌日、私は仕事に集中しようとしたが、夜の出来事が頭から離れなかった。そんな中、さらに不気味な現象が続く。夜中に再び囁き声が聞こえ、今度ははっきりと「呪い…解けない…」という言葉が耳に届いた。

それだけではない。毎晩見る夢に、水の中に沈む自分の姿が現れるようになった。冷たく青い水に包まれ、息ができず、暗闇の中で何かが私を引きずり込もうとしていた。目を覚ます度に、汗だくで胸が苦しくなる。

店でも異変は続いた。商品棚が勝手に倒れたり、電灯が点滅したりする。ある日、店の奥から聞こえてきた不気味な笑い声に、私は冷や汗が止まらなかった。誰もいないはずの場所から聞こえるその声に、心臓が凍る思いをした。

精神的に追い詰められた私は、佐藤に助けを求めることにした。しかし、彼に連絡を取ろうとしても、全く繋がらなかった。佐藤の家を訪ねると、彼の姿はなく、家の中は荒れ果てていた。まるで誰かが慌てて逃げ出したかのように、物が散乱していた。

私はこのままでは危ないと感じ、ミイラの正体と呪いの歴史を調べることにした。図書館やインターネットで調査を進める中で、江戸時代に遡る古い文献に辿り着いた。そこには、海で捕らえられた人魚が死後も呪いをかけ続けるという記述があった。その呪いは、ミイラを手に入れた者に死をもたらすというものだった。

さらに調べるうちに、佐藤の「取扱免許」には裏があることがわかった。実は、彼は偽物の免許を作り、このミイラを私に押し付けようとしていたのだ。自分では手に負えない呪いを、私に押し付けたのだ。

私は呪いを解くための方法を必死に模索した。文献には、呪いを解くためにはミイラを元の海に返さなければならないと記されていた。私はミイラを持って、深夜の海へ向かった。

波の音が不気味に響く中、私はミイラを海に沈めた。その瞬間、耳元で囁かれる声が消え、異臭もなくなった。私は全身の力が抜け、砂浜に崩れ落ちた。

しかし、完全に安心するのはまだ早かった。海に沈んだはずのミイラが、翌朝私の店に戻ってきていたのだ。佐藤の死体とともに…。

怖あい話GPT (https://chatgpt.com/g/g-okb1Ec1d2-bu-aihua-gpt)
prompt:
人魚のミイラ、取扱免許

ChatGPT,怖あい話

Posted by tomoaky